コラム

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2019/05/01

在来工法無料耐震診断と精密診断との比較-2

名古屋市無料耐震診断と精密診断との比較-2

令和になってからの初めての市の無料耐震診断報告をいたしました。熱田区での私の無料耐震診断です。

規模 1階:54.65㎡ 2階:29.81㎡ 述べ面積:84.46㎡

結果は、1階X方向:0.35、Y方向:0.31、二階X方向:0.69、Y方向:0.38 

補強値を1.0にするための補強予想ヶ所合計が33か所、耐震改修工事費の目安が、106万円~390万円となりました。

  

この結果は、1階のY方向と2階Y方向のの偏芯が大きく影響しています。前回のコラムでお話ししましたが、無料耐震診断は

WEEと言うソフトを使います。総二階を前提としていることと、1/4の部分の東西・南北の耐力壁の量を比較して偏芯を

検討しているために不利に診断値が出ます。こちらの場合は診断値の最低値が0.31となりました。基準法の1/3以下です。

この値は実際のこの建物の耐力ではないのです。これを精密診断とその補強計画の値が以下の資料です。

  

精密診断は、1階X方向:0.53、Y方向:0.82、2階X方向:0.95、Y方向:0.66

補強計画は、1階X方向:1.09、Y方向:1.13、2階X方向:1.06、Y方向:1.06

補強箇所は、1階X方向:3ヶ所、Y方向:2ヶ所、2階は金物補強のみ5か所

無料診断の予想ヶ所数は合計で33か所でした。非常に大きな違いです。これは精密診断は1階と2階の面積が違う場合でもそれぞれの剛芯を出して壁耐力の剛芯とのバランスを考慮して、1・2階のそれぞれの屋根荷重が変えられますが、WEEは不利な荷重を選択するしか選りません。精密診断法の方が実際の建物の力をより近い値として出てきます。こちらのお宅は工事はまだですが以下が一番ローコストの補強計画の図面です。

  

このように、精密診断を行うことで非常に少ない箇所で耐震改修補強が可能になります。この方法が普及すれば耐震改修が早く進むのではないでしょうか!愛知県のN倍計画も倍々で増えると思います!

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