コラム

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2019/04/07

在来工法無料耐震診断と精密診断との比較-1

名古屋市無料耐震診断報告書と精密診断との比較-1

昨年度から無料耐震診断報告書の書式が変わり、見積金額の目安が非常に幅の広い金額が出るように

なっています。昭和区のT邸は診断値が1階X方向:0.21、Y方向:0.24、二階X方向:0.44、Y方向:0.47

で補強箇所合計54ヶ所、この時の工事金額の目安は222万円~506万円となっています。この金額は愛知県が

これまでの実績を基に統計から出した金額のようですが、あまりにも幅が有り過ぎてどの当たりを妥当な金額なのか

良く分からないのです。

  

市の無料診断は,WEEと言う耐震診断ソフトを使いますが、これは、広く手軽に診断ができるよに作られたソフトで

前提が総二階の建物を想定しています。また、建物の偏芯を見るのに建物を1/4づつに分割して東西、南北の1/4

部分の壁量を比較して偏芯を判断します。これですと玄関が飛び出していたり、トイレが飛び出していたりすると

そこには壁が無いために耐震上非常に不利な値になります。このT邸のように診断値0.21は基準法の1/5しか耐力が

ないことに成るのです。これでは震度5以下でも倒壊なるの?そうではありません。このソフトでの診断結果は実際の

建物の強さを把握していない結果になっているのです。それを実際の建物の耐力を精密に判断できるソフトが有ります。

そのソフトは(株)インテグラルから出ているホームズ君「耐震診断Pro」と言うソフトです。

以下がこのソフトで行った耐震診断と補強計画の結果です。

  

診断値は、1階X方向:0.57、Y方向:0.56、2階X方向:0.99、Y方向:1.30 実際に近い建物耐力と思われます。

補強計画では、1階X方向:1.15、Y方向:1.07、2階X方向:1.32、Y方向:1.33

補強箇所は1階X方向:7か所、Y方向:6か所、2階X方向1箇所、Y方向0ヶ所 合計15か所で補強値1.0をクリアー

することが出来ました。工事費も目安である下限222万円を大幅に下回った144万円で出来ました。

クライアントは、私とは別に診断員派遣制度を使って再度診断をしてもらったのですが、この方は同じソフトWEE

を使用して、精算方を使って補強計画を出しています。

その結果は、1階X方向:1.04、Y方向:1.18、二階X方向:1.07、Y方向:1.21となり補強箇所は合計で30か所

となっています。予想補強金額は≒300万円でした。

これを見ると明らかに、精密診断を使用した方が補強箇所を少なくして補強値を1.0以上にすることが出来すのです。

此方のクライアントは、私の補強計画を採用していただいて耐震補強改修の工事を行うことに成りました。

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