古民家再生 愛知県一宮市 K邸 平成27年度 第10回 あいち建築物耐震事例コンペ 最優秀賞受賞
古民家再生!伝統工法の良さを守りつつ開放的で心温まる家
<耐震性>
この建物は、昭和初期(S3年)の典型的な古民家で伝統工法の建物でした。クライアントからは、石場建てを残して補強が出来ないかとの相談を受け、べた基礎を打ち、敷き土台を入れ補強壁の力を基礎に伝わるように考え、初期剛性を合板工法で上げ、加えて伝統工法が本来持っている制震機能をより積極的に活かすように制振装置を適切に配置しました。診断値は最低が0.15という絶望的な値でありましたが、補強値の最低値を1.04まで上げることが出来でき、簡易時刻応答解析で検証すると、神戸の地震波で装着後が(X方向1/45、Y方向が1/44)と変位を小さくすることが出来ました。現在の補強では金物を使わないといけないため、変異を小さく出来れば仕口を守ることが出来ると考えております。また、粘り強さを出すために荒壁パネルも採用しました。
居住性>
1階は補強壁部分が多くありますが、機能性・開放性を損なわないように配置しました。2階は出来るだけ補強壁を減らしてシアタールーム部分に防音性を兼ねて荒壁パネルを採用しました。リビングとダイニングには吹き抜けを設け採光と開放性・通風性を確保出来ました。
改修前 | X方向 | Y方向 | 改修後 | X方向 | Y方向 |
2階 | 0.31 | 0.39 | 2階 | 1.04 | 1.10 |
1階 | 0.15 | 0.22 | 1階 | 1.27 | 1.10 |
After
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